2021年3月21日付ブログでべき乗曲線(以下、ソーネット教授のネーミングを借用して「ドラゴン曲線」)と確率微分方程式の解曲線(以下、「解曲線」)が交差すると急落が近づく兆候であるという理論を展開しました。以後、これを単に「理論」と呼びます。
本日は果たしてこの理論が実際の株式売買で機能するかどうかを検証します。いうまでもなく、急落の前に売り注文を入れて、急落後に買い注文を入れれば大きな売買益を得ることができます。
では、時間を本年6月30日まで巻き戻して一緒に体験していきましょう。
図1 が2025年6月30日までのソフトバンクグループの株価(日次終値)推移です。
図1
ソフトバンクグループの2025年1月4日(終値)~同年6月30日(終値)までの推移
%(赤)は4月7日(谷底)からの上昇率
ドラゴン曲線(緑)と解曲線(グレー)が交差している
解曲線(上に凸のグレーの破線)とドラゴン曲線(下に凸の緑の破線)が交差しています。それが「急落アラート」だ、というのが理論でした。状況は理論と合致していますが、売り注文を出すタイミングかどうかは判断がつきません。4月7日の底値からは42.8%上昇しているものの、本年の最高値(1月23日)の10,755円にはまだ到達していません。
7月25日まで時間を進めます。図2をご覧ください。
図2
ソフトバンクグループの2025年1月4日(終値)~同年7月25日(終値)までの推移
%(赤)は4月7日を起点とする上昇率
二本目のドラゴン曲線(緑)を追加、急落アラート継続中
7月1日をピークに上昇トレンドが止まりましたが、その後の谷である7月14日までの下降率はわずか 4.9%でした。ここで、7月25日までの値動きを反映させたドラゴン曲線を追加します。解曲線(グレー)は二本目のドラゴン曲線とも交差しているので、急落アラートは継続中です。
さらに時間を8月8日まで進めます(図3)。7月25日から30日にかけて確かに下落はしましたが、下降率は5.8%にとどまり急落とはいえませんでした。それどころか7月30日を谷として、その後また急上昇しています。そこで、ドラゴン曲線をもう一本描き加えます。もちろん、急落アラートは消えていません。
図3
ソフトバンクグループの2025年1月4日(終値)~同年8月8日(終値)までの推移
%(赤)は4月7日を起点とする上昇率
三本目のドラゴン曲線(緑)を追加、急落アラート継続中
その後はどうなったでしょうか?7月30日の谷から8月18日のピークまで駆け上がり、下落に転じました(図4)。同ピークから次の谷(8月21日)までの下落率は12.7%です。
図4
ソフトバンクグループの2025年1月4日(終値)~同年8月22日(終値)までの推移
%(赤)は4月7日を起点とする上昇率
8月18日をピークに同月21日にかけて12.7%下落
4月7日を起点から8月18日のピークまでの上昇率は186.3%ですから、12.7%程度の下落では急落には見えづらいという側面もあります。これが果たしてドラゴン・キングの出現(ソーネット教授のいうバブル崩壊)と断言できるでしょうか?
8月18日は今となってはピークであったことがわかりますが、その日に「今日がピーク!」という判断はもちろんできません。理論は急落が近づいているというアラートは出しますが、具体的にいつ売り注文を出すべきか?については何も語りません。ましてや、今後さらに下降するのか?上昇に転じるのか?の予測にもこの理論は無力です。
つづく
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