1000ℓ容量の液体輸送容器は食品や化粧品業界を中心に製品の工場間輸送や工場内の一次貯蔵容器として使用されています。容量的に一斗缶(18ℓ)やドラム缶とローリー車の中間に位置することtから一般に IBC (Intermediate Bulk Container) と呼ばれています。
構造的にはタンクに直接充填するタイプと使い捨ての内袋(ライナー)に充填するタイプの二種類があります。タンク式は使用の都度洗浄する必要があり、分解することができないため輸送コストも高く、保管スペースも必要です。
一方、使い捨てのライナー式は洗浄が不要で、使用後に外容器を折り畳むことができますので、輸送·保管コストも最小限に抑えることができます。そこにレンタルという新しい販売方法を導入したのがS社です。参入当初はそのメリットが市場になかなか理解されませんでしたが、徐々にその合理性と利便性が受け入れられるようになります。 ライナー式のレンタルIBCという新しい市場セグメントの誕生です。
ここに参入するためには折り畳み式の外容器と内袋という異質な「ハード」の組み合わせと、レンタルという「ソフトとインフラ」が必要です。このポジショニングの確立が競争相手のいない急成長と高い利益率の維持につながります(ポジショニングA)。