N字成長 – Excel日々、ランダムに上がったり下がったりを繰り返す株価ですが、それをチャートにしたときにある特長があることをご紹介します。
株価は前日に比べ0.5%上がった、0.3%下がった、というようなことを日々繰り返します。ここで重要なのは、上がった下がったといっているのが株価額ではなく変化率であるという点です。ある量の変化率がその量の現在値に比例するというような状況において生じるのが指数関数で、そのような現象のことを指数関数的増加または減少といいます。まさに株価はそれに当てはまります。
指数関数的増加をしようとしている中で絶えず上下にゆらぐのが株価です。これがシンプルな前提条件です。そして、それを数式で表現すると以下のようになります。
式
では、実際の株価がこの理論通りに動いているかどうかをみてみましょう。図1は前述したS&P500の2016年1月以降の動きです。縦軸が対数であることに注意してください。縦軸を対数にすると指数関数増加である中心線
図1
2016年1月を起点とするµ線とv線。確率微分方程式の解から算出。
係数の決め方は2020年4月21日付のブログ「コロナショックによる株価下落の回復はいつか 」を参照してください。
ここで、図1を少しズームアップして株価の動きに注目するといくつかの転換点があることに気が付きます。たとえば、図2の丸印で示した点です。
図2
S&P500の大きな転換点である頂(ピーク)と谷(バレー)。
式
図3
ピーク&バレーを起点するv曲線
過去5年間でみると株価は
図4
ピーク&バレーを起点とするv線
図4は株価が 「上に凸の曲線 → 下に凸の曲線 → 上に凸の曲線」に沿うという特長があることを明確に示しています。つまり、N 字が次々と現れます。
つづく
<修正・追記>
2021年6月20日に、図3と図4を一部修正しました。
2021年6月20日に、計算の詳細 N字成長 – Excel を追加しました。
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